見積もりが高いと言われた時
見積もりが高いと言われた時

見積り金額が高いと言われた時の交渉術 ・断り方:確認事項や注意点

フリーランスで活躍するあなたは、ウェブサイト作成・機能追加・ロゴ作成・名刺作成・メニュー表作成など、作成する項目をあげればキリがないですが、様々な見積りを作成することがあるでしょう。

一度の見積もりで、案件受注となれば問題ありませんが、できるだけ安くしたのにも関わらず、

「見積もり金額が高い、高すぎる」
「他社より高い」
「相場より高い」
「●●●●は、▲▲▲▲円でしてくれた」など

言われた経験がある人は多いのではないでしょうか??

僕自身、駆け出しの頃は、どんなに安くても仕事がほしくて、クライアントの言い値で案件受注していた時期もありました。

駆け出しの時は、仕事をいただけるクライアントも少ないため、また、
「クライアントから嫌われて仕事をもらえない」
とびびって弱気になってしまい、必要以上に値切られることも多かったと思います。

最初に相手の予算を聞き出せれば良いですが、クライアントもできるだけ安く作成したいので予算を最初に言わない事もあり、互いの懐の探り合いが始まり、交渉が続くことを前提に考えておくと気持ち的にも安心です。

あなたもお金を稼ぐために仕事をしていると思いますが、相手にお金の事を、はっきりと伝えるのは勇気が必要で、数回にわたり交渉が続くと労力もかかり疲れてしまうでしょう。

今回は、フリーランス歴11年目となった僕の感覚と経験ですが、見積り金額が高いと言われた時にどうすれば、うまく対処できるかをご紹介します。

見積りが高いと言われる理由

予算より高い

多くの場合、クライアントが持つ予算と、プロジェクトの実際のコストとの間にはギャップが生じます。

特にカスタムデザインや特定の技術要件がある場合、これらは予算超過の主な原因となり得ます。

重要なのは、クライアントがプロジェクトの価値とコストを理解してもらう為に、十分に説明して納得してもらう必要があります。

クライアントからしたら、「これくらい簡単だろう」くらいの認識していることも本当に多く、大きなズレが発生することがあります。

コスト削減のための代替案を提示することも、時には有効ですが、ここは交渉力の見せ所です。

緊急対応やタイトなスケジュール

もちろん内容にもよりますが、クライアントからしたら、これくらい簡単な作業だけなのだから納品までには2〜3週間でできるだろうと、大雑把に認識していることも多いです。

実際に、制作者側にも別案件のスケジュールもあり、クライアントの要求を飲むには、通常業務では対応できなくなることもあります。

緊急の要求やタイトなスケジュールは、追加のリソースや夜間作業、週末作業などを必要とし、これがコスト増加につながります。

このような状況では、プロジェクトの優先順位を再評価し、可能な限り早期に計画を立てることで、コストを抑える努力が必要です。

競合他社より高い

競合との価格比較は一般的ですが、重要なのは価格だけでなく提供される価値を考慮することです。

高品質のサービス、独自のデザイン、特定の専門知識は、追加のコストを正当化します。

競合他社の低価格が常に良い選択であるとは限りません。

ただ、安くして案件を取りたい競合他社も多いので、そこに合わせて低価格すぎる見積もりになるのは特に防ぎたいです。

クライアントと技術者との認識のずれ

時々、お客様と私たち作業者の間で、仕事の内容や必要なことについて考え方が違うことがあります。

このような違いを解消するためには、お互いにきちんと話し合い、ゴールを明確にすることが大切です。

仕事・作業の内容、いつまでに終わらせるか、何のためにやるのかをはっきりさせて、後から「こんなはずじゃなかった」という追加の費用が出ないようにする必要があります。

特に、お客様の中には、技術的なことをあまりご存じない方もいらっしゃいます。

そういった場合、お客様は必要な作業がどれくらい大変で、どれくらいの費用がかかるのかを低く見積もることがあります。

だからこそ、私たちは仕事の内容や必要な工程を、分かりやすく説明することが重要です。

即レスを意識しすぎない

現代社会、即レスが良いと言われていますが、スピードを重視しすぎるとミスしがちで、冷静に適正価格を考えることが難しいことが多いです。

正解はケースバイケースです。

クライアントには、できるだけ早く見積もりを提出することは、良いことかもしれませんが、急ぎすぎることでミスに繋がり、赤字になるような見積もりを作ってしまっては、金額的にもメンタル的にもマイナスになってしまいます。

作業もボリューム次第でもありますが、せめて3営業日くらいじっくり考えても良いのではないでしょうか??

急ぎすぎて、見積もりを提出した後、「この項目が抜けてましたー」ってなると、逆に不信感につながるので要注意です。

クライアントから急ぎでと依頼された場合は、状況に応じて柔軟に即レス対応も必要です。

もう一度ゆっくり考える

見積もりに関しては、時間をおいて作業工数を見直すことも重要です。

見積もり依頼があった場合は、要望を忘れないうちに内訳や項目など作成しても良いですが、一晩寝かすなどして、冷静に考えると、より良い適正価格な見積もりができると思います。

結局はケースバイケースなので、数千円で対応できる案件は、即レスは当たり前で、数十万、数百万円単位の作業ボリュームや高機能なシステム開発であれば、企画や仕様もそれなりに時間が必要です。

焦らず、じっくり改めて企画しましょう。

スケジュールが詰まっている場合は、その旨をクライアントにきちんと伝えましょう。

作業内容や作業工数を説明する

少し面倒な作業になりますが、一つ一つの内訳の説明をすることも効果的です。

この場合は、僕の心の声は、

「せっかく安く見積もったのに、この説明まで必要なら、サポート費用としてその分を上乗せしたい」っと

思うかもしれませんが、これは正直な心の声です。

ですが、クライアントはこちらの作業工数なんて知るよしもありません。

人によっては、「パソコンでちょっと作業するだけなのにこの値段はありえない」とまで言い出すクライアントもいます。

ぼったくりと思われないように、作業にかかる内訳、作業工数などを納得いくまで説明することも必要です。

面倒と思っているクライアントとも一度きりのお仕事とは限りません。

継続してうまく付き合うことも重要ですので、お互いの性格や価値観などを育てていき共有し、成長していくことも頭に入れておきましょう。

意外と最初に面倒臭いって思っていたクライアントほど、長い付き合いになることもあります。

ただ、面倒臭いと思わず相手も安くて良いものが欲しい気持ちがあるという前提を胸に刻みましょう。

クライアントのことを、

「商売人」「ビジネスパーソン」「交渉人」と思っていると、無駄に感情的になることを防ぐことができるでしょう。


あなたは、少しでも高く受注したい、

クライアントは少しでも安くて良いものを手に入れたい、

ビジネスでは交渉は当たり前のやり取りで、お互いに自分の主張を通すために、感情的になることも多いです。
むしろ、価格交渉は互いにあると前提に思っておいてください。

ビジネスは、恋愛のようであり、戦いでもあります。

あなただけの主張が一方的に通るとは思わない方が、気持ち的に楽になるかもしれません。

相手に期待しすぎないようにしましょう。

相場を伝える

見積りが予算を超えた場合、クライアントに市場の相場を説明することは非常に重要です。

このアプローチにより、提供しているサービスや製品の価値が明確になり、クライアントとの信頼関係を築く助けにもなります。

まず、同業界の他社との価格比較を行い、自社のサービスがどのように市場に位置づけられているかをクライアントに説明します。

例えば、「同業界の同等サービスの平均価格はX円ですが、当社はY円と設定しております。これは、Zの追加機能やサポートを含んでいるためです」と具体的な理由を提示することが効果的です。

次に、価格設定の背後にあるコストの内訳を透明にし、なぜその金額になるのかを詳しく説明します。

例えば、高品質な材料の使用、特定の専門技術が必要な作業、独自の技術やサービスなどが価格に影響を与えている点を強調します。

また、業界のトレンドや経済状況を踏まえた上で、価格がどのように形成されるかを説明することも重要です。

たとえば、「近年の原材料の高騰や人件費の増加により、業界全体で価格が上昇しています」という情報提供も有効です。

このようにしてクライアントに対し、価格が高いと感じるかもしれないが、それに見合った価値があることを理解してもらうことが目標です。

価格だけでなく、提供する価値をしっかりと伝えることで、クライアントからの信頼を勝ち取り、最終的な合意形成に繋げることができるでしょう。

僕の経験上、どうしても価格交渉が行われる場合、相場よりわずかに安い価格を提示することで、多くのクライアントが納得してくれることが多いです。

できる限り予算に合わせ、割引できる案を考える

クライアントの予算内で提案をする

最初は予算を伝えないクライアントもいます。それも当然といえば当然です。

誰しも、できるだけ安く依頼したいし、先にいくらくらいかかるかを聞き出すことができれば、その後の価格交渉も優位に進めることができるからです。

結局は、あなたとクライアントとのコミュニケーション力が試される場面です。

互いに肩の力が入りすぎていては、引くに引けず、交渉自体うまくいかないこともあります。

「安くしてほしい」「●●●●より安く」というクライアントからの要望に対して、感情的にならずに冷静に相手の予算・要望を聞き出すことを目指してください。

逆にうまく相手の予算さえ把握できれば、その予算内で企画が可能です。

人間関係を円滑にするためには、何気ない趣味の話などをして、互いの緊張を解くためにも雑談力も必要です。

予算のことよりも、人間として信頼されれば、あなたの提案はより通りやすくなります。

見積もりも大事ですが、相手との交渉する力も蓄えましょう。

割引できる部分を考える

思い切って赤字にならない程度にできるだけ割引してみるのも良い経験になるかもしれません。

これも、難しいかもしれませんが、クライアントがその後ビジネスがうまくいけば、今後も継続的に仕事がもらえる可能性も多いにあります。

思い切って、実績作り・経験と割り切って、割引してみるのも良いかもしれません。

ここでのポイントは、割引することが当たり前になりすぎて、足元見られないようにしましょう。

ウェブ作成は、とても時間はかかってしまいますが、お金自体がかかることは少ない場合も多いです。臨機応変に対応してみても良いでしょう。

今後、クライアントとの付き合いが継続できるかは、運もあると思いますが、自分の直感を信じてみるのも面白いと思いますよ。

これ以上の割引は無理とはっきり伝える

なぜできないかの理由を伝える

あなたはお金を稼ぐために、仕事をしています。

必要以上に割引してしまい、あり得ない金額で仕事を受けてしまうと、ストレスもかかりモチベーションも下がってしまい良い仕事ができるわけありません。

実績作りとして割り切ることができれば良いかもしれませんが、大抵の場合、納得できない金額で受けてしまった案件は、良い作品は生まれず、モチベーションも下がり作業着手が遅れ、結局、クライアントに怒られるということが多いような気がします。

何故なら、その案件にはそこにはストレスしかないからです。

割り引き可能なボーダーラインを超えてしまったなら、時には断る勇気も必要です。

クライアントとの関係性にもよると思いますが、互いに信頼できる関係を構築するように心がけましょう。

まとめ

見積もり作成などのお金の交渉に関しては、明確なルールはありません。

あらかじめ、価格が変えれないようなテンプレートやパッケージ売りではこのように悩む必要はないかもしれないですが、結局、その時のタイミングもあり、人と人とのやり取りは、ケースバイケースです。

どうしても仕事をいただきたいのであれば、ある程度の譲歩も必要です。

価格交渉においても、臨機応変に対応できる人もいれば全くできない人もいます。

伝え方のテクニックが下手でコミュニケーション力が低い人は、価格交渉もうまくいくはずがありません。

本当に心を掴むコミュニケーション力や交渉力があれば、1円のものを10万円で売ることも可能です。

相手の顔色や懐事情をうまく把握できれば、あなたが納得できる価格で受注することは可能です。

作成する技術も必要ですが、コミュニケーション力・交渉術も鍛えていきましょう。

アドバイスとしては、室内でこもって作業ばかりしていてもコミュ力は鍛えれないので、できるだけ外に出て、色々な人と話のに慣れると良いと思います。

営業がうまければ、あなたの思うような企画も通りやすく、納得いく金額で受注できるでしょう。

はっきり言って、理屈っぽすぎ、いちいち癇に障るような人間では、仕事はもらえません。

同じ内容でも、伝え方一つで物事は変わっていきます。

僕より技術を持っている人は、多いと思いますが、自分自身では仕事を取れない人も本当に多いです。

クライアントとの関係性をうまく構築できるように日々、人と話す機会を持ち、コミュ力を鍛えてください。

コミュ力があれば、決して仕事が途切れることはないと僕は信じています。