あなたは、パワーナップという言葉を聞いたことがありますか?
あまり馴染みのない言葉ですが、何とあのAppleやGoogle・NIKEなどの外資系企業にも導入されているみたいで、現在とても注目されています。
毎日適度な睡眠時間を維持していても「日中に眠たくなる」といった経験は、誰にでもあると思います。
個人的には人間である以上、眠くならない人は存在しないとまで思っています。
僕自身、基本的にランチを取った後は、必ずと言ってよいほど、昼寝をしています。
そんな何気なく毎日取り入れていた昼寝でしたが、最近、この昼寝のことはパワーナップ(積極的仮眠)と呼ばれていて、化学的にも効果が報告されているようです。
軽度の仮眠が午後の仕事の生産性を高めるために有効であることがわかっており、厚生労働省でも、短時間の昼寝をとることが、その後の脳の覚醒レベルを上げ、作業能率の改善に役立つ可能性があると報告しています。
今回は、うまく活用することで効率よく午後の疲労を回復させるというパワーナップについてご紹介したいと思います。
パワーナップ(積極的仮眠)とは?
パワーナップとは、コーネル大学の社会心理学者ジェームス・マース氏が提唱している仮眠法です。
昼寝を意味する「nap」と「パワーアップ」をかけた造語で、簡単に説明すると、お昼の12時から15時くらいにとる15分~30分ほどのお昼寝のことです。
パワーナップは何と、あのApple社やGoogleなどの大手企業にも導入されており、午後の仕事の生産性や効率をあげるには、非常に効果的と言われています。
人間とDNA配列が近いサルの睡眠は昼寝が多いみたいです。人間は社会生活において16時間ほど連続して起きていますが、人間は午後2時頃に最も眠気が強くなる現象が報告されています。
これは霊長類の進化の過程での痕跡と言われています。
お昼頃眠くなってしまうのは、遺伝子的に自然な生理現象とも言えるかもしれません。
お昼頃の午後は、眠くなりやすい時間帯ですが、うまくパワーナップを取り入れることで、その後の仕事もはかどりますので、是非、積極的に活用しましょう。
なぜパワーナップで疲労回復するの?
なぜ、パワーナップを活用することで、疲労回復ができてしまうのでしょうか?
これは睡眠の備わっている仕組みが関係しています。
睡眠には、それぞれの深さを表す言葉で、レム睡眠とノンレム睡眠があります。
パワーナップでは、睡眠が深いとわれている「ノンレム睡眠」のみで、目を覚ますテクニックです。
このノンレム睡眠にはさらに4つのステージがあり、カリフォルニア大学・バークレー校の神経科学者マシュー・ウォーカー教授の研究では、入眠して20分ほどで訪れるノンレム睡眠のステージ2において、脳内に蓄積した「キャッシュ・メモリ」がクリアされると報告されました。
スマホやパソコンなどでは、様々なデータや情報が蓄積されていて、動作がカクカクとして遅くなったりします。動作が遅くなった時は一時的に保存されているキャッシュを削除することで動作が軽くなります。
人間の脳はパソコンと同様に一時的にキャッシュを削除することで、脳に溜まった疲労も軽減され、カラダにも良い効果をもたらします。
脳は、常にすごい量の情報を処理しているので、実は疲れているのです。
特に、現代社会は、スマホやパソコンからの膨大の情報を処理しているので、脳の疲労をとることはとても重要です。
その脳の疲労を簡単に取り去ることができることが、パワーナップです。
パワーナップをうまく活用することで、本来の能力を発揮し、午後からもバリバリと動けるように整えていきましょう。
パワーナップのメリット
パワーナップを活用することで、午後の疲れを効率的に軽減し、さまざまな効果を期待すると言われています。
以下のような効果があると期待されています。
・ストレス軽減によって健康促進
・リラックスすることができる
・疲労回復で頭がスッキリ
・集中力の向上
・記憶の定着
・作業効率や生産性の向上
・認知症や心臓疾患の予防
・体力の回復
・免疫力の向上
・想像力が高まる
昔から、「寝る子は育つ」という言葉があるほど、実際に昼寝をすることで、たくさんの良い効果が得られます。
これらの効果を知ってしまえば、決して無視することはできません。
パワーナップのデメリット
仮眠を通りこして、30分以上寝てしまうと、深い睡眠が出現するため、スッキリと目覚めることができなくなったり、その晩には、寝つきが悪くなることがあります。
長時間の仮眠は、不眠の原因にもなりますので、適切にパワーナップを行いましょう。
正しいパワーナップの方法
では、適切なパワーナップとはどのように行えば良いのでしょうか?
・仮眠時間は15~30分までを目安とする
・仮眠前には、コーヒーなどのカフェインを摂取する
・15時以降はパワーナップ(積極的仮眠)は控える
・室温や光や音などを調整し、快適にする
パワーナップを適切に活用しないと効果が得られないことがあるので、上記のような注意点に気をつけましょう。
パワーナップに最適な時間
仮眠時間は15~30分までを目安にする。
パワーナップでは睡眠の浅いノンレム睡眠時に目覚めることを目指します。
30分以上の寝てしまうと深い睡眠状態に入ってしまう可能性があります。
深い睡眠状態に入ると、目覚めた時にボーッとしたり頭がスッキリせずだるさを覚えたり、目覚め悪くなったりしてしまうため、仮眠は30分以内を目安にアラームを設定するようにしましょう。
人によって適切な時間はあると思いますが、僕のおすすめしたい仮眠時間は20分です。
色々な仮眠時間を僕自身のカラダで実験しましたが、僕にとっては気持ちよく目覚める時間は20分でカラダに合っているようです。
パワーナップのする体勢・場所
横になった状態で寝ると、深い睡眠に入りやすくなる為、机にうつ伏せ状態で寝たり、椅子の背もたれにもたれかかると、熟睡することを防ぐことができるのでオススメの方法です。
室内温度や光や音などを調整し短時間で睡眠状態に入るためにできるだけ快適にすることもオススメです。
また反対に、睡眠時間が悪い状態では、せっかく仮眠の時間を作っても眠ることができず、逆に時間を無駄にする可能性もあるので注意しましょう。
仮眠のする環境や時間がない場合
仮眠のする環境や時間がない場合は、とりあえず数分目を閉じるだけでも効果があります。
5分だけでも、仮眠をやるかやらないとでは、その後のスッキリ感と疲労回復具合とが違うので、積極的に仮眠を取ってみましょう。
スムーズに昼寝から起きるコツ
仮眠前にはコーヒーなどを飲みカフェインを取る
昼寝をする前にコーヒー・紅茶・お茶などカフェインが含まれる飲み物を飲んでから、目を閉じます。
カフェインは、コーヒー・カカオ・茶葉などに含まれる苦みを持った成分で、眠気覚ましの効果があります。
カフェインを上手に摂取することで、スッキリ目が覚めやすくなります。
アラームをかける
当たり前のことですが、必要時間以上に寝ることを防ぐ為にスマホや腕時計などでアラームを設定しましょう。
アラームが鳴ったら、頑張って起きてください。
起きた後は、軽く体を動かしたり、コーヒーを飲んだりすると脳を覚醒しやすくなります。
たとえ、睡眠に入れず眠れなくても、目を閉じておくだけで、カラダと脳の疲労は軽減することができます。
また、30分以上寝てしまうと、起きるのがキツくなってしまうので、きちんと眠ることができてなくても頑張っておきましょう。
まとめ
仕事をする環境によってパワーナップができない人や体質によっては必要ない人もいるかもしれませんが、やはり午後には眠くなってしまうのは人間という生物にとっての宿命だと思っています。
実際に僕自身は、ほとんど毎日昼寝していますし、昼寝なしだとキツくて集中力もなくなり仕事の生産性も低くなり、ちょっとのことでもイライラしたりすることを実感しております。
仕事の休憩時に寝てしまうなんて罪悪感を抱くかもしれませんが、パワーナップは、化学的にも効果が報告されていますので、できるだけうまく活用することをオススメしたいです。
パワーナップ後の眠気がなくなるスッキリ感の中で仕事をした方が、ミスも少なくなり、ハッピーな気持ちで、1日の業務を行うことができると僕は信じています。
あなたもパワーナップ(積極的仮眠)を実践して、ぜひ、効果を実感してみてください。
きっと、午後の仕事がいつもより楽しく、捗ること間違いなしです。