ホームページ制作でクライアントとのトラブル事例と未然に防ぐ方法

ホームページ制作でクライアントとのトラブル事例と未然に防ぐ方法

フリーランスウェブデザイナーがホームページ制作において、クライアントとのトラブルは誰もが避けたいと思いますが、意外とトラブルに発展する事も少なくありません。

この際、過度に期待しないように考え、

「トラブルなしでスムーズに完了することはまずない」

頭に入れておく方が良いとも言える気がします。

クライアントとのトラブルは、ホームページ制作において頻繁に発生する問題であり、スケジュールや品質の悪化、コストの増加など、様々な問題を引き起こすことがあります。

しかし、適切な対策を講じることで、このような問題を未然に防ぐことが可能になります。

今回、フリーランスラボでは、ホームページ作成においてクライアントとのトラブル事例を紹介しつつ、それらを未然に防ぐための具体的な対処法を紹介します。

この記事を読むことで、ホームページ制作におけるクライアントとのトラブルを回避するための知識やスキルを身につけることになれば嬉しいです。

支払いのトラブル

クライアントとの支払いや契約に関するトラブルは頻繁に起こりえます。

たとえば、クライアントが契約前に明示されていなかった費用を請求されたり、支払い期限を遅延されたりする場合があります。

このような支払いトラブルを回避するためには、契約内容や支払い方法に関する明確な合意をし、クライアントとホームページ制作者の双方が納得する形で進めることが重要です。

また、支払いスケジュールに関する合意書や契約書を作成し、クライアントに提示することも有効な方法です。

クライアントとの力関係も影響し、お金のことを伝えるのが苦手な人は多いと思いますが、仕事はお金を報酬としていただくことで成り立っています。

ホームページ作成ボリュームが多い場合は、高額になると思います。

数ヶ月かかるプロジェクトが完成後入金の約束をしてたとして、その後、クラアントと連絡が取れないなどとなってしまっては、メンタルにも多大なるダメージを負ってしまいます。

せめて、作業着手金は支払ってもらってから、ホームページ作成に取り掛かる方がメンタル的にも気持ちが安定します。

きちんとお互いの支払いルールの中で、合意しプロジェクトを円滑に進めるほうが最作のパフォーマンスも確実に上がると思います。

お金のことを言うのはケチくさいと思われるのを恐れて、人は中々言い出しにくいものですが、ビジネスマンとして支払いの事はきちんと話しておくことは正義だと信じています。

スタートアップ福岡として、サンフランシスコに研修に行った際に印象的だった言葉の一つとして、

作業完了後の翌月または翌々月に報酬を支払うという企業は日本の悪しき風習だ

と言っていて、僕もまさにその通りだと思います。

制作サイドは、納期を守る約束のもと仕事をするのに、ホームページ完成後の翌月ならまだしかたない範囲ですが、翌々月はありえないと思います。

スタッフを大事にする一流企業様は、支払いに関しても一流です。

本当に良い関係性のもと、高いパフォーマンスで仕事ができます。

「お金いつもらえるの?」

なんてことを考えるだけで、ストレスになってしまいます。

あまり企業の経理やシステムのことなどは分かりませんが、そんな心理的に安心して働けないなんてただのストレスでしかありません。

どのみち支払うことになるのだから、発注する側も、なるべくすぐに報酬を支払ってあげるような努力をしてもらいたいと心より願っております。

そのほうがホームページ制作も気持ちよく仕事できるし、対応やサポートの質も確実に上がるはずです。

発注側の知識・経験不足

発注側の企業・クライアントが、ホームページ制作やウェブの技術に詳しいことはまずないと思っていた方がよいでしょう。

多少なりともホームページ制作の経験があれば、スムーズにホームページ作成をおこなうことができますが、特に初めてホームページ制作に携わる企業・クライアントと仕事をするのは、かなりのパワーが必要と思っておいた方が無難です。

制作サイド側では、当たり前の常識や共通言語は通用しません。

その為、毎回毎回、その都度、根気強く分かりやすく説明するスキルや努力が必要です。

本当にイライラすることもそれなりに発生します。

感情的になってしまう気持ちはとても分かりますが、冷静に落ち着いて対処しましょう。

アンガーマネージメントの本を一通り読んで、怒りの感情との向き合い方を勉強しておくことも非常に役に立ちます。

要件・制作物の内容の不明確さ

要件の不明確さによる問題

クライアントが求める要件が不明確であった場合、ホームページ制作者は要件の把握に時間がかかり、その結果として予定通りの納期を守ることができなくなる可能性があります。

要件が不明確なまま制作を進めると、後々問題が生じることがあります。要件に関する不明確さを防ぐためには、クライアントとのコミュニケーションを密にし、要件定義の際には必要な情報を十分に引き出し、納品物のイメージを共有することが重要です。

制作物の内容の不明確さによる問題

クライアントとホームページ制作者との間には、共通言語も違いますし、ウェブに関しての知識量なども全く違うことがあります。

ホームページ制作者が制作したホームページが、クライアントの要望と異なっていた場合、クライアントからクレームがつくことがあります。

クライアントの要望が不明確なまま制作を進めてしまった場合には、クライアントからのクレームに対応することが難しくなります。

制作物の内容の不明確さを防ぐためには、クライアントとのコミュニケーションを密に行い、制作物の仕様を細かく確認することが重要です。

以上のように、要件・制作物の内容の不明確さは、コミュニケーション不足やヒアリングの不十分さによる問題が多くあります。クライアントとのコミュニケーションを密に行い、要件・制作物に関する説明を詳しく行うことで、このようなトラブルを未然に防ぐことができます。

特に、初回の打ち合わせ時に、互いのゴールを明確にしていないと、要件・制作物が不明確なまま作業が進んでしまい、クライアントの要望や期待に沿わないホームページが完成してしまうことがあります。

ホームページ制作者は、クライアントが望む仕様を十分に把握するためのディレクション能力も必要です。

対面での打ち合わせでは、緊張することもあり、相手の要望を聞き逃すこともあるでしょう。

クライアントとのコミュニケーション不足により、要件・制作物の内容が不明確にならないように、クライアントが望む仕様を十分に把握し、不備や不足が生じないように気をつけましょう。

ホームページ制作納期を守れなくなる原因

ビジネスとして当たり前の共通認識として納期が遅れることなどは1番避けたいものです。

要件・仕様・デザインの変更による納期遅延は、クライアント・発注者がホームページ制者に対して要求を変更することで、納期に影響が出てしまうトラブルに発展します。

また、ホームページ制作では、スムーズな進行のために、クライアントとのコミュニケーションやプロジェクト管理、スタッフの確保も重要になります。

以下にその事例のご紹介です。

プロジェクト進行管理不備

プロジェクトの進行管理やタスクの割り振り、スケジュール管理などが不十分である場合、ホームページ作成作業が遅れ、納期が遅れることがあります。

ホームページ制作開始前にクライアントと十分にコミュニケーションをとり、スケジュールの共有と要件定義の精度に高めましょう。

変更要求に対する対応の遅れ

クライアントが要求を変更した場合、ホームページ制作者はその要求に対応するために必要な手続きを踏む必要があります。

しかし、対応に時間がかかった場合、納期に遅れが生じる可能性があります。この問題を防ぐためには、クライアントが要求を変更する場合には、その要求に対してどのような手順で対応するのか、また対応にかかる時間の目安を前もって提示することが重要です。

変更要求の明確化・言語化不足

クライアントが要求を変更した場合には、その要求について十分に明確化・言語化する必要があります。

不明確なまま要求を変更してしまうと、ホームページ制作者が要求や要望の内容を理解するのに時間がかかったり、要求内容に矛盾が生じたりする可能性があります。

要求内容の明確化には、クライアントと制作者がコミュニケーションを密に取り合い、変更後の仕様やデザインの詳細を共有することが重要です。

「●●●●●●みたいな感じで」や

「●●●●●●なるようなデザインや仕様で」

など、口頭の説明のみで抽象的であれば特に気をつけてください。

少し、しつこいとかウザいと思われるかもしれませんが、クライアントとコミュニケーションを怠らず、十分に内容の明確化・言語化をするように心がけましょう。

過度な数の変更要求

クライアントが要求を過度な回数変更する場合、ホームページ制作者が対応することはとても困難で、変更要求の数が多ければ多いほど、ホームページ制作者が考える時間や作業に取り組む時間が増え、納期に影響が出てしまう可能性があります。

変更要求の過度な数を防ぐためには、クライアントと制作者が初めから納品物の仕様やデザインについて詳細に話し合うことが重要です。

経験や知識が少ないディレクターは、完成形をイメージできてないことも多く、ありえない回数の要望をしてくることも多々あります。

特に気をつけたいのが、

「一度、●●●●●●にしてみて!!」

「一度、●●●●●●が見たいと上司が言っている」

など、明らかに、二度手間になるような事を要望してくることもあります。

また、初期の完成形のイメージまでぶち壊し、

「最初の打ち合わせの意味ないやん。。。」

と思うこともあるでしょう。

とても理不尽だと感じてしまいますが、全てクライアントの責任と思わずに、自分の説明能力や企画力も不足していると思い、常に前進しましょう。

単に相手と感性や相性が合わないということもあります。

そういった意味では、仕事は恋愛に似ている部分も多いなと感じてしまいます。

自分の思い通りにならないこともありますが、うまくいかない時は、ご縁がなかったと割り切り、負の感情を引きづらないようにしましょう。

コミュニケーション不足

クライアントとのコミュニケーションが不十分である場合、要件や仕様に関する認識のズレが生じたり、クライアントの要望を反映させる作業が遅れることがあります。

クライアントは、定期的に進捗状況を共有するように心がけましょう。

雑談も効果的です。

お互いの趣味や性格を知り、距離を近づけておくとスムーズに進むことも多いです。

スタッフ不足や技術的な問題

人員の不足や、技術的な問題により、制作の進行が遅れることがあります。

案件が重なってしまうと、どうしても時間が足りなくなってしまうこともあります。

ホームページ制作に割り当てる人員の確保やスケジューリングも重要な仕事の一つです。

クライアントとしては、ウェブに関しての知識も低いことも多いので、実際の制作物を見た後に、「あーでもない」「こうでもない」「思っていた色とは違う」など、やはり、初回の打ち合わせ時には言っていない要件やデザイン変更などを当たり前に依頼してくることは、結構あります。

ホームページ制作者からすると、打ち合わせ時の要件に入っていないので、対応はしたくありません。

まず対処法としては、初回の打ち合わせ時にクライアントが望む仕様を十分に把握するように心がけましょう。

例えば、

「打ち合わせ時にはその仕様は入ってなかったので、別途お見積もりになります」っとはっきり伝える必要もありますが、その場合は、納期も延びると言うことも確実に伝えましょう。

また、これは作業ボリュームにもよりますが、多少のデザイン変更くらいであれば無料での対応もしても良いと思います。

どうせ、無料で対応するのであれば、お互いに気持ちよくなるように伝えることも大事です。

今後の付き合いにも影響してきますので、多少イラっとしたとしても感情的にならずに冷静にビジネスマンとして、クールに対応しましょう。

追加作業が増えるのは、ホームページ制作者としては納得しづらいですが、クライアントの立場に立ち、寄り添ってみるのも良い経験になります。

最初の打ち合わせの肌感覚で、サポートが必要以上に必要になると感じたのならば、前もって見積もりに修正分も考慮して、単価をあげておくのも一つの手です。

僕の経験上、一発で修正なし納品は中々ありません。

他人の頭の中のイメージを言語化したり具現化したりするのを100%できる人などこの世にはいません。

経験を重ねることで、クライアントの要望を具現化・言語化できるようになるので、駆け出しフリーランスのホームページ作成者は、今は我慢し耐える時期とも言えます。

ぜひ、制作の途中もクライアントと十分にコミュニケーションをとり、互いに余計な手間を増やさないようにしましょう。

制作物納品後の修正要望

ホームページが完成し納品した後に、クライアントから修正要望が出た場合、トラブルになることがあります。

特に、納品物に関する仕様が明確でない場合、クライアントの要望とホームページ製作者の意図が異なる場合があります。

初回の打ち合わせ時に、確実にクライアントの要望や仕様を把握し、要件定義・デザイン提案・プロトタイプを提出するとある程度防ぐこともできます。

クライアントが自分と同じ脳内イメージではないとあらかじめ認識し、少しでもクライアントにウェブの知識が少ないと感じるのであれば、初心に戻ったつもりで、何もわかっていない人にでも、きちんと情報がわかりやすく伝わる技術を習得したりポジティブな気持ちで工夫しましょう。

プロジェクト管理不備による問題

プロジェクト管理不備による問題は、ホームページ制作プロジェクトの進捗状況や作業スケジュールが遅れたり、クライアントとのコミュニケーションが不十分だったりすることが原因で発生するトラブルです。

具体的な事例としては、以下のようなものがあります。

進捗状況の不十分な報告

ホームページ制作プロジェクトでは、定期的に進捗状況をクライアントに報告することが重要です。

しかし、報告が不十分だったり、報告が遅れたりすると、クライアントから不安やクレームが出ることがあり不信感につながります。

定期的に進捗状況をクライアントに報告する癖をつけましょう。

ボールは手元に置いておかないと意識していると精神的に安定します

制作スケジュールの遅れ

ホームページ制作プロジェクトは、多くのタスクが重なるため、スケジュール管理が非常に重要です。

しかし、制作者がスケジュール管理を怠ったり、クライアントの要望に応えすぎたりするとスケジュールが遅れたりすると、クライアントから不満やクレームが出ることがあります。

外注先の問題

ホームページ制作プロジェクトで外注先を利用する場合、外注先とのコミュニケーションが不十分だったり、外注先の技術力に問題があったりすると、納期や品質に影響が出て、クライアントからクレームが出ることがあります。

以上のような問題は、プロジェクト管理が不十分だった場合に発生しやすく、制作者はプロジェクトの管理に十分な注意を払う必要があります。

まとめ

ホームページ制作において、クライアントとのトラブルは誰もが本当に避けたいと思っていますが、前もってよくある事例や対処法の知識があると、ある程度未然に防ぐことができる場合もあります。

ぜひ、今回ご紹介した事例や対処法など正しい対策を参考にして、スムーズなホームページ制作の進行とクライアント満足度の向上につながれば嬉しいです。